カーズ3クロスロード(ネタばれあり) 誰もが共感しやすい内容もラストの展開に違和感あり

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去年話題になった「カーズ・クロスロード」

シリーズ3部作目の近作品をついにWOWOWで視聴したので感想を書いてみる。

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過去シリーズからの流れ

まず「1」では天才ルーキー、マックイーンの物語。素晴らしいレーサーだが、それ故に驕り高ぶった人格だった。

しかし、たまたま迷い込んだ田舎町のラジエータースプリングスの人々との触れ合いで、様々な人達の懸命な支えがあって始めて自分がレーサーとして結果を出せることに気づき、成長する物語

「2」は簡単に言えば「カーズの007」レースを中心とした話しではなく、裏で活躍するスパイのお話。これはどちらかと言えば「アナザーストーリー」的内容。

そういう意味でも、「1」からの流れで今回の作品があると思った方が分かりやすい。

 

どういうお話か?

「1」の頃は若き天才レーサーだったマックイーンがベテランになり、勢いのある若手に勝てなくなる「世代交代」のお話。

最先端のトレーニングと、それで培った技術に設備。さらに若い為、基本的なポテンシャルがベテランに比べれば高い。

この若手No1ストームがとにかく生意気!!実績ある大先輩を見下してバカにするような態度に観ていて腹ただしい気持ちにもなるが、この態度「1」の時のマックイーンとうり二つ(;^ω^)

この流れの世代交代は、スポーツ全般に言える事でどんな偉大なレジェンドプレーヤーもいつかは現役を退き、新しい若手にスターの座を譲らなければならない。

しかし、それが分かっていてもいざ現実になると、なかなか受け入れるのは容易ではない。これはそんな世代交代が現実に訪れた人を描いたある意味「大人向け」の内容になっている。

 

世代交代は、アスリートでなくても誰にでも訪れる。故に共感性の高いストーリーで自分達サラリーマンでもある事。

若手の頃は「先輩達のやり方は古くて非効率的」と批判し、我慢しつつ自分のやり方を模索。

そして結果が出るようになり、それなりの立場になると古いやり方やそれに固執する人達を、ある意味「淘汰」していく事が発生する。

だが、年月が経って最新の知識や技術などのスキルを持った若者が入ってくれば、今前線で活躍していた人達も第一線ではいられなくなる。

例えば、事務の仕事などで昔は「簿記の資格もあり、電卓を高速で打てる人」がエース級だったとする。ところが、年月が経ち「エクセルなどのパソコンの最先端技術を巧みに使える若手」にその座を奪われる。

しかし、その若手ですら、また新しいスキルを持った新しい若者達に敵わなくなり・・・の繰り返し。いずれ「先輩のやり方古くてついていけないっす」と言われると思うと辛い(/ω\)

 

ラストに違和感

勝てなければ引退と約束したレースに挑むマックイーン。ところがレースの途中で若手トレーナーのクルーズに「ルール上問題ない」と言って選手交代。そして、そのままほとんど実戦経験も実績も無いクルーズがストームにも抜いて優勝するという展開に・・・

 

違和感①なんで、途中で代わった?

あくまで自分の想像だが、クルーズの設定は「かつてはレーサーを目指したが、才能の違いを即理解し、レーサーは諦めてトレーナーの道を志した」である。

それに対して、一緒に過ごす中でマックイーンはクルーズの才能やレースへの情熱に気づく。そして「今の自分の役割は新しい若手にバトンを渡す事」と考え、このような行為に及んだ。

そして、制作側も「世代交代がテーマなんだから、マックイーンが自分に代わる若者にバトンを渡すシーンは絶対入れたい」みたいな。

しかし、これは「今じゃないだろ~」と思った(;´Д`)

例えば、マックイーンが若手と一緒にトレーニングを積む中で自分の経験などを若者に伝える。そして自分の限界を受け入れながら「この才能ある若者に、レースで勝たせてあげたい」と途中からトレーナーになり、自分が育てた若手がストームに勝って優勝!みたいなほうが、まだ受け入れやすかった。

ほとんどルール違反の、このタイミングでの世代交代は全く理解できなかった。

 

違和感②なぜ、世代交代の相手がトレーナー?

この違和感がかなり自分の中では強烈だった。そもそも、どのアスリートにも言える事だが「現役選手」と「トレーナー」は全く異なる存在である。

それなのに、トレーナーが途中でレースに出場して、しかも優勝なんかしちゃったものだから、どっちの立場の人にも失礼な感じになってしまった。

どういうことかと言うと、

現役選手側に対しては「トレーナーがちょっと頑張ったら、選手として全然やれちゃうよ」

トレーナー側に対しては「やっぱトレーナーより、選手としてやるほうが価値があるよね」

少し穿った見方かもしれないが、このようなメッセージに取れなくもない。どちらの立場が優劣ではなく、どちらも欠かせない大切な存在なのに、この展開では感動が台無しになってしまう。もう少し考えてほしかった。

 

総評としては、ラストの展開には難があるが、それ以外は良くできた作品であった。(それ故にラストが本当にもったいない)

子どもと楽しく一緒に見れる作品の一つ

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