映画「ルドルフとイッパイアッテナ」 親子で観て、親子で学べる良き作品

スポンサーリンク

元々は1987年に児童文学書として出版された作品。自分は本は読んだ事なくて知らなかったが、2016年に映画で話題になっていた今作品が、遂にWOWOWで放送されたので早速視聴開始!

あらすじ

飼い猫で外の世界を知らない「ルドルフ」。外の世界を知りたいと、隙を見て飛び出したはいいものの、誤ってトラックに乗って気付けば岐阜から東京まで来てしまう。そこで文字が読める・書けるスーパーワイルドキャット「イッパイアッテナ」に色々な事を教わりながら、成長していく物語

感想

①CGがキレイ

CGアニメと言えばお馴染み「ディズニー」を始め、アメリカ映画のお家芸と言って良い。それを今回日本映画で挑戦したわけだが、思っていたより全然いい!!

猫自体のフォルムはアニメ的だが、その動きや毛並みの感じはリアルに感じた。

また意図的に表現していると思うが、日本の四季を分かりやすく見せていた。その絵がとてもきれいで「日本人で良かった(*^_^*)」と感じてしまう。

②イッパイアッテナの名言

「野良猫ってのは、ジッとしていちゃ生きていけないのさ」

これは人間でもそう。「働かざる者、食うべからず」生きていく事は、常に一生懸命努力する必要がある事を教えてくれる。仕事頑張ろう・・・(≧▽≦)

・「黒猫が縁起が悪いなんて迷信だ。そんな事信じているのは教養が無い証拠だ」

これは、現代風に解釈すればネット等で流れている情報を、簡単に鵜呑みにして信じてしまう事への警告とも捉えられる。情報は大切だが、それに振り回されない「教養」を身につけなければいけない。

「人と仲良くしないと、野良猫は生きていけない」

人も1人では生きていけない。無理に取り繕ったり、顔色を窺ったりする必要はないが、相手を思いやり、人と付き合っていく事も大切な事だよというメッセージに思えた。

「覚悟もないのに、簡単に脅し文句を使うな」

強い言葉は相手の怒りを買い、何らかの形で仕返しをされる可能性が高くなる。そうなれば自分だけでなく、自分の周囲の人達にも何らかの形でダメージを負う事になる。

そういう事を理解せずに、安易に強い言葉は使わないよう警告している名言だ。

「絶望は愚か者の答えだ」

これが、この映画でたくさんの名言を生み出したイッパイアッテナの一番の名言だろう。絶望し、諦めるのは簡単で誰でもできる。でも、そこから地道に努力した者だけが成功へと辿り着ける。そんな事を言い表している名言だと思う。

③賛否両論ありそうなシーン

野良猫にエサをあげることについて

映画は猫目線なので、エサをくれる人間が「すごいいい人」に思えるし、自分も映画を観ているときは「ありがとう」なんて思った。

しかし、観終わった後冷静に考えると、学校や自分の家の庭で野良猫にエサをあげる人達が現実にいたら迷惑ではないだろうか?

野良猫のエサやりに関しては難しい問題なので、ここでどうこう言うつもりはないが、この映画を観終わった後に子どもが「野良猫にエサをあげるのは良い事」と安易に認識してしまうのはどうかと思った。

ルドルフが復讐しに行く事

ルドルフが犬の「デビル」に傷つけられたイッパイアッテナの復讐に、仲間のブッチーと一緒に行くシーンがある。結果的に復讐は成功し、観ている側はスカッとする。

これ、大人が対象の映画であればこのようなシーンがあっても良いと思うのだが、子どもが観ることも想定されている映画としてはどうかなと思った。

ここだけ切り取ると「悪い奴に仕返しをするのは正しい事」と子どもが考えてしまうようになる。しかし、本当にそれが良い事だろうか?

自分としてはこのシーンはカットするか、入れるのであれば終わった後にイッパイアッテナから「復讐」という行為がどういうものなのか、ルドルフに教えるようなシーンが欲しかったかなと思う。

 

まとめ

色々書いたが、子どもも大人も一緒に様々な事に対して考えさせらえる良作であった。この映画を観終わった後、子どもに「何でイッパイアッテナはあの時、ルドルフにあんな事を言ったんだと思う?」と聞くと子どもなりに考えて答えていた。

そんな風に多くの親子に、是非見てもらいたい良作だった。機会があったら児童書の方も読んでみたい(*^▽^*)

スポンサーリンク