自分もケアマネジャーという仕事をしている事から、介護保険絡みの相談に乗ることはよくあるのだが、一般の人と話しているとこんな事を言われたりする。
「うちのケアマネが、全然何もしてくれなくて。要望を言っても全然聞いてくれないし。どうしたらいいのか・・・」
「どうしても嫌なら、ケアマネを変えてもらったらいいですよ」
と言うと「変えていいの?」とちょっと驚かれる。そんな事が多くある事を意外に思ったので、今日はその辺りについて少し書いてみたい。
ケアマネを変更する時の流れ
①まず、担当のケアマネに変更してほしい事を伝える
この時「どうしてですか?」と理由を聞かれる。ここで「あなたが仕事ができないからです」 なんて本音を言っちゃってもいいのですが・・・(/ω\)
一応、マニュアル回答的なものとして
「近くの事業所に変えたいんです」
「知り合いのケアマネさんにお願いしたいと思って」
等が無難かもしれない(;^ω^)
ちなみに、事業所まで変更する必要が無いときは、同じ事業所の別のケアマネに変わってもらうこともできる。
その際は、事業所の責任者(居宅事業所の管理者)に直接話してどんなケアマネがいいのか要望を伝えてみるといい。
(例:同性の人がいいとか、ベテランの人がいいとか・・・etc)
必ず要望通りの人がいるわけではないが、要望に近い人に変わってもらえるかもしれない。
②新しいケアマネの事業所と契約
新しいケアマネを探すパターンで大きく2つあり
Ⅰ:ケアマネ変更を伝える前にすでに自分達で次の目星をつけている
Ⅱ:全く、次の目星がついてないとき
Ⅰのパターンなら、自分で「変わってもらう事伝えたので、手続きをお願いします」と新しいケアマネに言えばもうOK!
その後の引き継ぎ等の必要な手続きは全て新しいケアマネがやってくれる。
Ⅱのパターンだと、現在契約している事業所のケアマネに新しい事業所を紹介してもらうことができる。
しかし、これ実を言うとあまりお勧めしない。介護保険法等にもケアマネの役割として「クライエント(利用者や家族などの顧客)に対して、その利益を最優先し適切な事業所に繋がなければならない」というような内容が謳われている。
が、そこはケアマネも人間。「なんで、自分達と解約する人達にわざわざ面倒な事をしなければならないのか?」と思う人もいる。
ケアマネ同士というのは、市町村単位、都道府県単位で「会」がある。医師会などの職能団体と同じと思ってもらえばいい。そこに多くのケアマネが入っているのである程度繋がりがある。
だから、どこのケアマネがどんな人なのかは分かっている事が多い。最悪の場合は質の悪いケアマネを紹介されて余計に苦労するかもしれない。
その為、面倒かもしれないが今後の事を考えたら自分達で新しいケアマネを探す事をお勧めしたい。
じゃあどうやって探すのか?
1:利害関係が現在全くない、知り合いのケアマネなどに聞いてみる
これが一番いい。特に身内にケアマネがいたら是非聞いてほしい。まだ経験の浅いケアマネだと分からないかもしれないが、10年前後やっている人なら「この人がいいわよ」なんて教えてくれることが多い。ついでに、ケアマネを紹介してもらえば話が早い。
2:「ワムネット」などで探す
パソコンなどで「ワムネット」と検索すると、介護事業所の情報が誰でも見れるサイトがある。ただ、これで見てもどの事業所がいいのか分からないと思うので、おおまかなポイントとして、「居宅介護支援事業所」のなかで
・主任ケアマネがいる事業所
・ケアマネの人数が多い事業所
・「特定事業所加算(Ⅰ~Ⅲ)」を取得している所
細かい説明は省くが、こういう事業所だと比較的質の高いケアマネがいる可能性が高い。後は気になった所に電話して、直接会っ度話を聞いてもらう。フィーリングが合えばケアマネをしてもらえないか、話を進めていくと良い
※ 役所に相談に行くパターンもあるが「中立な立場から特定の事業所の紹介はできません」と言われ、事業所一覧と介護保険のパンフレットをを渡されて終わりw
行ってもいいが、ほぼ時間の無駄になるのでお勧めはしない。
ケアマネを変えることのメリット・デメリットについて
メリット
何と言っても、これまでストレスを感じていたケアマネとの関係が無くなるのが一番だろう。
他に、自分の要望をきちんと聞いてもらえたり、質の高い提案をしてもらう事で、介護の負担が軽減したりする事が考えらえる。
デメリット
新しいケアマネと一から人間関係を築いていかなければならない。これは人づきあいが得意な人なら良いが、あまりそういうのが得意でない人は慣れるまではしんどいかもしれない
そして、ケアマネを変えたからといって、思ったように自分達の状況が改善するとは限らない。これに関しては
・どんなケアマネが関わっても、すでに大きな改善が難しい状況になっている
・ケアマネの力量不足で改善できない
上記2つが要因として考えられるが、どちらに自分達のケースが該当するのか分からないと思うし、悲しい事にケアマネにも分からない事が多い(T_T)
その為、ケアマネを変えたからといってある意味「過度な期待」はしないほうがいいと思う。
最後に
ケアマネは変えれる。ただ些細な事で変更する癖がついてしまうと、ケアマネの中で「あのクライエントはすぐにケアマネ変えてくるから気を付けて」と情報が出回り、「ブラックリスター」になってしまうかもしれない。
そうなると、引き受けてくれるケアマネが減ってしまい、かえってしんどくなる可能性がある。
大事な事は疑問に思った事や、要望は言葉に出してはっきりケアマネに伝える事。納得できない事はきちんと「ここの部分が分からない」と伝えて説明してもらう。
それでも、はぐらかしたりきちんと答えないケアマネなら変えてもいいと思う。ただケアマネと信頼関係を築いていく事を利用者や家族の人にもちょっと頑張ってほしい。
クライエントとケアマネは「お客様とサービスマン」の関係ではなく、あくまでも最も身近な相談相手「パートナー」、つまり「対等な関係である」と捉えてもらいたい。
制度上、クライエントの人はケアマネに1円も払わず、無料でケアマネの支援を受けられるようになっている。この事からも「金を払ってるんだから客のいう事を聞くのが当然だろう」の関係が成り立たないのは分かってもらえるのではないだろうか?
そういった事を理解したうえで、お互いに信頼関係を築いていく努力をすることがとても大事になると自分は思っている。
「ケアマネを変えたい」と思っている人の参考になれば幸いです(*^-^*)