大女優「樹木希林」死去 がんと闘いながら教えてくれた事

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誰もが知る、大女優「樹木希林」が9月15日死去。

2005年に乳がん手術、その後「全身がん」であることを公表。長期間に渡り、がんと闘い続けながら女優として仕事を続けてきた。

 

自分の中で樹木希林は映画の印象が強い。主に印象に残っている映画作品として

・悪人

・あん

・そして父になる   ・・・etc

そして直近の作品が「万引き家族」

どの作品でも独特の味というか、リアルな人間味を感じさせる演技を見せてくれていた。決して主役を演じるような華やかさがあるわけではないが、この人がいると一本、筋の通った映画にしてくれる。

そんな必要な「名脇役」の一人であった。

 

がんとの闘い

女優業の一方で、晩年はがんと闘い続けた。

がんと言うと、とても暗いイメージがあるが樹木希林はメディアに対してはその闘病記や考えについて彼女らしい明るいコメントを残してきた。

「死ぬ死ぬ詐欺

全身がんという重篤な状態であるにも関わらず「元気そうですね」と言う周囲の人に対しての冗談

こんな感じで、とてもがんと闘っているとは思えない様子を見せてきた。ただこれは女優としての演技かなと自分は思う。

自分も身内にがんと闘病中の人間がいる。だからこそ分かるが、実際の闘病生活は過酷を極める。抗がん剤、放射線治療等の副作用はとても苦しく「死んだ方が楽なのでは・・・?」と感じる瞬間もある。

そんな苦しい中でも闘病生活を継続できるのは、その人なりの「頑張りたい理由」があるからだと思う。

仕事をまだ続けたい、家族ともう一度楽しい時間を過ごしたい・・・その人なりの心から頑張りたい理由がある事で辛い闘病生活も継続できる。

樹木希林の場合はその理由がなんだったのか分からないが、「もう少し、仕事がしたい」とかだったのかもしれない。

 

「がんになって良かった」

自分が印象に残っている言葉として彼女は上記のような言葉を言っている。

その理由は「がんになると、自分の事を皆が一生懸命気にしてくれる。「この人といつまで過ごせるのか分からない。だから、この瞬間を大事にしよう」と思ってくれる。それはがんになったメリット」という内容を話している。

これは、究極のポジティブシンキングだなと思う。普通の人はがんになったら「なんで自分が・・・」と落ち込むし、それが末期がんで余命宣告までされた日には目の前が真っ暗になりなにも考えられなくなる。

確かに、「悪い時ほど、現状を前向きに捉えるほうがいい」とは世の中でよく言われる思考法の一つ。

しかし、それが分かっていてもこの状況をポジティブに捉えることは、ほとんどの人には不可能に近いと思う。

しかし、樹木希林はそれを行う事ができたという事。実際はそう公言していても、死が近づく恐怖に心が押しつぶされそうになる事もあったと思うが、気丈にそんな様子を見せないよう努めたところはまさに大女優にふさわしい振る舞いだったと思える。

もう、樹木希林の演技が観れなくなるのは寂しい。彼女の作品を改めて観てみようと思った今日この頃である。

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