映画3月のライオン前編感想 シンクロ率高い神木隆之介演じる桐山玲を中心とした将棋と群像映画(ネタばれあり)

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WOWOWで見ることができたので早速録画。

映画公開自体は去年の3月に前編、4月に後編と続けて公開されている。

ちなみに自分は原作は未読だが、アニメは観た人間(;^ω^)

あらすじ

春のある日、東京の将棋会館で、17歳のプロ棋士・桐山零(神木隆之介)は、義理の父で師匠の幸田柾近(豊川悦司)との対局に勝利する。9歳の時に交通事故で両親と妹を失った零を内弟子として引き取ったのが、父の友人の幸田だった。

零は幸田家を出て、下町のアパートで一人暮らしを始めていた。中学生でプロ棋士としてデビューした零は、史上5人目の天才ともてはやされているが、家も家族も友達もなかった。

ある時、具合が悪くなって道に倒れていた見ず知らずの零を、近隣の町に住む川本あかり(倉科カナ)が自宅へ連れて帰り介抱してくれる。その日から、長女のあかり、次女のひなた(清原果耶)、末っ子のモモ(新津ちせ)の3姉妹、すぐ側で和菓子屋〈三日月堂〉を営む祖父の相米二(前田吟)と零との温かな交流が始まる。

冬を迎えたある夜、零の部屋の前で義姉の香子(有村架純)が待っていた。妻のいるプロ棋士の後藤正宗(伊藤英明)と微妙な関係を続けている香子は、かつて弟の歩と共にプロ棋士を目指していた。二人が零に勝てなくなった時、幸田は自分の子供たちにプロへの道を諦めさせる。荒れる香子を見て零は家を出たのだが、香子も父親を避けて家をあけるようになっていた。

新年を川本家で迎える零。楽しいお正月は、皆で初もうでに出かけた神社で、後藤と香子に出くわしたことで一変する。(HPより引用)

人物相関図

http://www.3lion-movie.com/chart/

感想

①起用した俳優について

桐山零(神木隆之介) 

原作者の羽海野チカ自身が、「桐山零は神木隆之介しかいない」とまで言われ、原作とのイメージに最も近い俳優。神木隆之介自身も、桐山零と自分自身が重なる部分があったようで、最も適材適所や配役になった様子。

桐山香子(有村架純)

美人だが、零に対しては父親の愛情を奪われたと思い込んでいる。その憎しみから好戦的。しかし、そのような言動の一方で完全に縁を切ることもできず、妙につきまとい、自分の感情を吐き出したり、抱きついたりする等愛情のようなものもあり。

そのような、複雑な心理を持つキャラを演じるのが有村架純。自分は意外と悪くないと思った。ただ、欲を言えばもっと意地悪そうな雰囲気の出る人がよかったかも。

二海堂春信(染谷将太)

なんか、どっかで見た顔だな~と思っていたらあの染谷将太だったとは。特殊メイクで仕上げたらしい。

島田開(佐々木蔵之介)

胃痛持ちの老獪なA級棋士を演じるのは佐々木蔵之介。この人は味のある演技をさせたら流石だ

後藤正宗(伊藤英明)

伊藤英明がまさか、将棋棋士を演じるとは意外だった。もう「海猿」を代表とする肉体派の役しかやってないような印象。ただ、「悪の教典」で狂ったサイコパスの殺人教師を演じたり最近は役の幅も広がってきている。

②話は基本シリアス路線

アニメを観た感じと、この羽海野チカの作品自体が人間の重苦しい心の部分と、コミカルな描写を織り交ぜながら描くスタイル。

しかし、この映画では当然尺の関係もある為、コミカル路線は封印し重苦しいシリアス路線一本で勝負する事を決めた。

その決断自体は現実的で妥当だと思った。そして、その複雑な人間関係から派生するそれぞれの感情の入り交じりこそが、将棋を主題とした作品でありながらもう一つのテーマになっているのがこの「3月のライオン」だと思う。

ちょっと感じたのが、あまりにも零と幸田一家との過去の辛辣な回想シーンが多い。ここはもう少し短くして他に尺を回しても良かったかもしれない。

③対局シーン

映画で幾つかの対局シーンがあるが、自分が面白かったのは

・桐山零 VS 島田開

・桐山零 VS 山崎順慶

・島田開 VS 後藤正宗

将棋を知らない人でも、役者の表情などから今有利なのか、苦しいのか、どんな心理状況なのかが分かるのが良かった。心の声もちょいちょい出てきていたのが、心理状況が分かりやすい一方で、不要にも思えた。

島田VS後藤は本当に将棋の対決なのかと思えるシーン。互いにずっと睨み合っているし、もぐもぐタイムの干し柿と豆大福を貪る時でさえ競うように食べて睨み合う。

欲を言えば、将棋好きな人向けにもう少し盤面を映して、どのような状況になっているのかを見せるシーンがもう少しあっても面白かったかもしれない。

 

次は後編へ。流石に大人気の原作の映画だけあって、1本では収まりきらないのかもしれない。

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