映画「ちょっと今から仕事やめてくる」 今問題のブラック企業を題材にした考えさせられる映画(ネタばれあり)

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去年映画の告知で、タイトルだけで内容が気になっていた「ちょっと今から仕事やめてくる」

やっとWOWOWで視聴したので感想を書いてみる。

 

あらすじ

ブラック企業で働く青山隆(工藤阿須加)は、疲労のあまり駅のホームで意識を失い、危うく電車に跳ねられそうになってしまう。すんでのところで青山を救ったのは、幼馴染みのヤマモト(福士蒼汰)と名乗る男。だが、青山には彼の記憶がまったく無かった―
大阪弁でいつでも爽やかな笑顔をみせる謎の男、ヤマモトと出会ってからというもの、青山は本来の明るさを取り戻し、仕事の成績も次第に上がってゆく。そんなある日、青山がヤマモトについて調べると、何と3年前に自殺していたことが分かる。それではヤマモトと名乗る、あの男は一体何者なのか?

(引用:公式ホームページ)

この映画は大きく分けると2部構成になっていて、

前半:主人公青山のブラックな労働環境と、そこで苦しむ人達について描くパート

後半:幽霊のような不思議な感じと言える山本の正体に迫るパート

 

自分が特に印象に残ったのが前半のブラック企業の過酷な労働に耐える前半パート

 

これは青山が務める会社の「社訓」

個人的には一つも納得のできるものが無いのだがいかがだろうか・・・?

社訓から既に労働基準法違反しまくりの内容。監査が入る時には監査用の社訓にでも入れ替えるのだろうか?

青山の会社は雑居ビルのような場所で全員が営業関係の仕事をしている。その事業所のトップが「パワハラ山上部長」

おそらく本社のサテライト的な感じで営業部だけが独立したような場所にあると思われる。

その会社で行われるパワハラ、もしくは労働基準法違反と思われるようなシーンが

・朝のラジオ体操と社訓の読み上げ

・大声で罵倒、物を蹴る等脅迫的行動

・残業が月150時間&残業代は0円

・会社の損失や業務に必要なタクシーなどの交通費を自腹で払わされる

・社員全員の前で謝罪と土下座の強要

・・・等々。映画だからより分かりやすく観せていると思うが、似たような事をしているブラック企業は多数あり、観ていて心が痛むような感覚があった。

加えて尊敬していた五十嵐先輩に契約が成立しかけていた案件を、データを不正に変えられて潰されその手柄を奪われる。しかしそんな事知らない青山はなんとか役に立とうと取引先相手の趣味のデータなど提供する。

しかし、五十嵐はまだ自分が知らないデータを隠し持っていたと焦りもあって「消えろ、バカ」と辛辣な言葉を青山に浴びせる。

尊敬していた先輩からそんな言葉を言われたショックから青山は2度目の自殺を試みる・・・。

 

これは観ていてきついシーンの一つだった。青山からすれば尊敬していた先輩から理由も分からずきつい言葉を浴びせられるのだから。

もし、自分が同じようなシチュエーションに現実になったらどれ程メンタルにダメージを受けるのか。想像するだけで辛い場面であった。

 

そんな救いのないブラック労働シーンの連続だったが、最後に清々しい顔で山上部長に「今日で仕事辞めさせてもらいます」と言ったシーン。

予想通り山上部長は「これだから最近の若い奴は根性がない。すぐ辞めるだのぬかしやがる」「お前みたいなやつどこに行ってもダメなんだ」「お前、すぐに働き口が見つかるなんて思うなよ」・・・etc

ブラック上司に「辞めます」と言ったら出てきそうなワードが続々と出現(;´Д`)

しかし、青山は何を言われても動じず「自分の人生をちゃんと生きようと思います」というような言葉とともに会社を退職。

最後に五十嵐が青山の手柄を不正なやり方で横取りしたことをカミングアウト。普通なら怒っていい所だが青山は「もういいんです。先輩の気持ちに気づかず甘えてばかりいた自分にも責任があります」と五十嵐の行為を許す。

そして、ビジネスバッグを振り回しながらスキップする青山(*^_^*)

 

この映画を観てブラック企業に勤めながら苦しんでいる人達に「仕事で死にたいと思ったら辞める勇気を持ってほしい。それが無理なら、周りに相談してほしい」と思った。

実際自分も転職経験者で、この映画にもあるようなブラックな面が幾つかある所で働いていた。

働いている時は「ここを辞めたら自分を雇ってくれる所なんてない。だから辞められない」と思っていた。

しかし、辞めた後どうするか。きちんと調べて計画を立てて辞めればどうにでもなると思う。多少給料や休日、通勤距離や役職がある人ならその特権等、以前あったものが無くなるかもしれないが、そんなものはブラック企業を辞める事に比べれば大したことではない。

実際自分は辞めた事を1㎜も後悔していない。そしてその時顔を合わすとお腹が痛くなる程嫌に感じていた人も、辞めると「あれ?なんで自分はあんな人の事をそんなに怖いと思っていたんだっけ?」と1か月もすれば嫌だった仕事の人間も「そういえば、昔そんな奴いたな~」くらいになる。

 

ちょっと個人的な話になってしまったが、若いサラリーマンの人達に是非見てもらいたい良作な社会派映画だと思う。(*^^*)

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