本日開幕した、今年のクレーシーズンのマスターズ2戦目「マドリード大会」
今回錦織はモンテカルロに続き、またノーシードの為初戦からいきなりビッグネームと当たる可能性が高いことは分かっていた。
が、しかし・・・。まさか、初回からあのジョコビッチと当たるとは。何たる不運( ゚Д゚)
これまでのジョコビッチとの戦い
ジョコビッチはこれまで錦織の前に、何度も立ちはだかってきた存在自体が「壁」のような相手。
好調だった2016年シーズン。マスターズでマイアミとトロントで2回も決勝戦まで進出。しかし、その時に錦織の初優勝を阻み続けたのがこのジョコビッチ。
さらに、この2016年はマドリードとローマのマスターズで準決勝で当たっているが、その時の決勝進出を阻んだのもジョコビッチ。
ただ、錦織を大きく飛躍させた2014年のあの全米オープン準決勝。ここで当時世界ランキング1位のジョコビッチに勝って、アジア人男子として初めてグランドスラムの決勝に立った時の相手もジョコビッチである。
しかし、その栄光から何度も繰り返した「ジョコビッチチャレンジ」も10連敗中(T_T) 通算成績:2勝11敗
ジョコビッチについて
ジョコビッチには2度「パーフェクトイヤー」(自分が勝手に言ってるだけだが(笑))がある。それが2011年と2015年
2011年
この当時が23~24歳のシーズン。グルテンフリーの食事と、よりストイックなトレーニングに励みそれが功を奏す。それまではナダルとフェデラーの2強に隠れるように存在する「第3の男」止まりであったが、そんな汚名を返上する別人のような活躍!!
このシーズンは全仏以外のグランドスラム3タイトルと9つあるマスターズのうち5タイトルを取得し、世界ランクも1位となる。
2015年
この時が27~28歳。このシーズンのジョコビッチは2011年よりさらに完璧で、はっきり言って強すぎて誰も勝てない(;^_^A 巷では「人間でなく、アンドロイドなのでは?」という噂まで流れる始末。
グランドスラムは2011年と同じ全仏以外の3タイトル獲得。全仏も決勝まで進出して準優勝。マスターズは6タイトル獲得。ツアーファイナルは史上初の4連覇を達成。このシーズンの戦績82勝6敗(勝率93.2%) ちなみにシーズンで50勝すると「スゲー!!」と言われる世界という事を考えると圧倒的過ぎる・・・w 当然世界ランキングは断トツ1位でシーズンフィニッシュ!
ジョコビッチのプレースタイル
サーブは1STサーブ200㎞/h前後でそれ程早くはないが、確率が高いのとフラット、スピン、スライスをどこにでも打てる。そしてトスアップの位置が球種、コースに関わらず一定の為リタナーが読み辛い。さらに2ndサーブからのポイント確率も高い。
リターンも読みの良さと長いリーチを生かしてかなりの確率で返してくるため、簡単にフリーポイントが取れない。ブレーク率も高く、リタナーとしても世界トップクラス
技術面も、昔はドロップショットの精度が低かったがそれも修正。基本的にバックハンドでしか打ってこないが、精度の高いドロップを打つ。フォア、バック、ボレー、ロブと全ショットの精度が高い。その為、無駄なアンフォースドエラーがほとんどない。
フットワークも良く、体の柔軟性もあり、手足の長さもあるので、大きく横に振られてスライディングしながら拾ったような相手のウィナー級のショットを鋭いカンターで返球するフィジカルと技術を併せ持っている。
このカウンターがジョコビッチの大きな武器の一つ。ジョコビッチは基本的にディフェンスが強くミスの少ない選手の為、攻めないと勝てないが中途半端に攻めるとこのカウンターであっという間に形成逆転される。しかし、攻めすぎるとミスが増えて自滅する。ジョコビッチの対戦相手は常にこのジレンマに悩みながら、戦う必要があるので疲労が半端じゃなくなる。
さらに、戦術もとにかく理詰めでまるでチェスを打っているかのよう。
その戦術をどんなに苦しく、長丁場になっても実行し続けられる体力とメンタルも兼ね備えている。2012年の全豪オープン決勝でナダルと戦った5時間53分にも及ぶ激闘は、グランドスラム決勝の試合時間として史上最長試合として今も破られていないし、その試合に勝っている。
なんか、書いてみるとジョコビッチは全く欠点が見当たらないな~(;^ω^)
錦織がジョコビッチに勝つには?
ただ、ちょっと期待できるのはジョコビッチは2016年の全仏で悲願の「生涯グランドスラム」を達成してから以降は、燃え尽き症候群やケガの影響で不調。去年は思ったようにプレーできておらず途中でシーズン終了。今年も右肘の手術を受ける等一応ツアーに復帰はしてるが体調は万全ではない。事実、嬉しい事に日本のダニエル太郎がインディアンウェルズの初戦で勝っている。
まだ体調もテニスも万全でないので、今のジョコビッチなら十分にチャンスはある。
ただ、ある程度状態が戻ってきていた場合の対処法も考えておいたほうが良い。
これまでジョコビッチの鉄壁のディフェンスが破れず、焦ってミスが早くなって自滅する事が多かった。無闇にコーナーにショットを打たず、角度のつけにくいセンター付近でのラリーをじっくりやりつつ、相手の返球が甘くなった所でコーナーへの強打やネットを取るなどの攻撃に転じる等メリハリが必要と思われる。
初戦のジョコビッチ戦勝率:55%
(かなり期待してこの数字です(;^ω^))
試合予定:5月7日の第3試合