2018ツアーファイナル3戦目
錦織圭 対 D・ティーム
1-6 4-6 で錦織圭敗退(T_T)
1stセット
立ち上がりの第2サービスゲーム。30-0といい感じにポイントを重ねていたが、そこから連続ダブルフォルトで30-30。さらに30-40とブレークポイントを握られる。
40-40と1回凌ぐが、次を凌げずブレークを許す。
このゲーム、確か1stサーブが1本しか入らなかった。これではキープは難しい・・・
第3リターンゲーム。40-40まで行くが、チャンスなく一気に0-3
第4サービスゲーム。30-30とまた嫌な展開になるが、そこから連続で1stサーブでのフリーポイントを重ねキープ。1-3
このキープで少し落ち着きを取り戻せる。
第5リターンゲーム。フォアの逆クロスも決まり、40-15とダブルブレークポイントのチャンス。しかしここを凌がれ40-40に。
しかし、錦織もプレッシャーをかけ続けさらに2度ブレークポイントが訪れるが、後1ポイントが遠く結局ブレークできず。
チャンスを逃すとピンチが訪れる。直後の第6サービスゲーム。
ダブルフォルトからスタート。さらにミスも出て30-40とブレークピンチ。1つ凌ぎデュースに。
その後3度ブレークピンチを迎えるがいずれも凌ぐ。しかし4度目のブレークポイントをセーブできず、遂にこのセット2度目のブレークを許す。1-5
第7リターンゲーム。ティームのサービングフォア・ザ・セット。一つでもブレークを返したかったが、チャンスなく1-6でセットダウン。
2ndセット
錦織は1stセット取られた直後、怒りが抑えられずラケットを叩きつける。
大体こういう事をすると、運にも見放され、流れも悪くなり、余計に勝つチャンスを無くしてしまう(;´Д`)
このセットは錦織もサーブのフィーリングが戻ってきて互いにキープ合戦になる。
先にチャンスはティーム。錦織の第5サービスゲーム。0-30から30-30まで戻す。
いい1stサーブが決まって40-30。これでキープできれば良かったが、バックハンドをミスし40-40に。
ブレークポイントを握られるが、その緊張感あるポイントで錦織が決死のネットプレー。
足元に沈められたボールを必死のハーフボレー。ティームのパッシングに必死にくらいつきボレー合戦。これをギリギリ制し、ブレークポイントセーブ。かろうじてキープ。3-2
ピンチの後にチャンスあり。しかし、ティームがしっかりキープで3-3
第7サービスゲーム。やっとバックのダウンザラインが決まる等、ストロークのフィーリングも戻ってきたように思えた。
しかし、ミスとダブルフォルトもあってデュースに。ブレークポイントを握られ、これをセーブできずブレークを先に許す。3-4
第8リターンゲーム。錦織も即ブレークバックを狙い、デュースまで粘るが、結局チャンスなくティームがキープ。3-5
第9サービスゲーム。ここはなんとかキープで4-5。最後の望みを繋ぐ。
第10リターンゲーム。ティームのサービングフォア・ザ・マッチ。
なんとか反撃したかったが、ラブゲームでキープされ試合終了。
スタッツ
ウィナー:11本(フォア7、バック4、サーブ0)
アンフォースドエラー:41本(フォア16、バック19、サーブ6)
ネットポイント率:13/18
リターン返球率:77%
1stサーブの確率:59%
1stサーブのポイント率:70%
2ndサーブのポイント率:35%
サービスエース:0本
ダブルフォルト:6本
ブレークポイント取得率:0/4
被ブレーク率:3/9
D・ティーム
今日のティームも決してフィーリングは良かったわけではなかった。
特に1stサーブは完全に確率重視。本来マックス220㎞/hを超えるビッグサーブの持ち主だが、今日は180~190前半㎞/hくらいの速度で、コースもボティを中心に配球。
エースやフリーポイントを取る事よりも浅くリターンさせて、3球目以降で勝負するというスタイル。
その結果1stサーブの確率は確か7割近く入っていた。錦織もリターンしっかり通すことができた。
1stサーブであっさりポイントを奪う機会はなかったが、なんだかんだで錦織にあまりチャンスを与えず時間がかかりながらもキープ。
キープできることで、ストロークのミスは今日はフェデラー戦より少なく、しっかりスピンをかけて本来の軌道で打つことができていた。
やはり、フルスイングした時のティームのショットは早い上にとんでもなく弾む軌道でタイミングを合わすのが難しそうであった。
錦織圭
今日もアンダーソン戦同様、立ち上がりの1stセット、最初のサービスゲームをブレークされてしまう。
この2試合に限って言えば、あまりにも立ち上がりが悪く、そのまま試合の流れを変えれず終わってしまっている。
これは、やはり自分自身のフィーリングの悪さから自信を失っている影響が考えられる。
ただサーブのスタッツ自体は最終的には1stサーブを6割入れて、7割ポイント取っているので合格点。
しかし、2ndサーブのポイント率が最近の錦織にしては35%と低調。そしてダブルフォルト6本は多い。
2ndサーブがあまりしっくり来ていないのも敗因の一つ。
しかし、何と言っても今日の敗因の最大の要因は「バックハンドの乱調」につきる。
ストロークのフィーリング自体は、観ていてそれ程悪いと思わなかった。少なくともアンダーソン戦よりはかなり修正してきていた。
しかし結果は41本ものアンフォースドエラー。うちバックは最多の19本。
錦織のテニスは何度も言うようにバックハンドが屋台骨。「安定感と決定力を兼ね備えたバックハンド」これがベースにあって、サーブやボレー、フォアの強打やドロップショット等多様な引き出しが初めて効果的になる。
そのバックハンドが機能しないのではどうしようもない。ビジネスで言えば、メイン商品が在庫切れした状態で勝負しているようなもので、そんな状態で競合他社に勝てるはずがないのは分かると思う。
そして、今日の試合を観て前からなんとなく感じていたのだが、錦織が他のトップ選手と比較した時に足りないものがある。
それが「一貫性」
どういう事か?例えばティームだが、彼は錦織と同じくこの大会不調で1勝2敗でラウンドロビン敗退。
特にフェデラー戦はひどい内容だった。
だが、ティームはどんなひどい状況でも「フルスイングで打つ」ということを継続する。その結果徐々に自分のプレーや感覚を取り戻していくことはよく見られる。
ナダルなら読まれていようが、「オープンコート作って、フォアの逆クロスに強烈スピンショットを打つ」
フェデラーなら「抜かれようが、前に出続ける」
ビッグサーバーなら「サーブで相手を崩して、3球目でウィナーを取るショットを打つ」
あくまで簡単な一例だが、多くのトップ選手は状況に関わらず、一貫したプレーというのを持っている選手が多い。
逆に錦織は繊細なボールタッチの感覚と、引き出しの多さを生かして状況や調子に応じて柔軟なテニスをする。
それでもある程度いい結果を残しているのだからいいと言えばいいのかもしれない。
しかし、マスターズやグランドスラムのタイトルを獲った選手はほぼ全員この「一貫性」を持っている。
錦織も何か一つこの「一貫性」を身に着けてもよいのかもしれない。
例えば、自分や相手の調子、状況に関わらずバックハンドが屋台骨の錦織。ウイニングショットはやはりバックのダウンザライン。そうであれば、「バックのダウンザラインが打てる状況を作って、ダウンザラインを打つときはミスろうが、どうしようが、とにかく振りぬき、厳しいコースを狙う」みたいな。
「そんなリスキーな事して、ブレークされて負けたらどうするの?」と思うかもしれない。確かに状況や調子次第ではリスキーだし、それで負けるかもしれない。
だが、長いシーズンを通して考えた時、単発の試合で負けたとしても、やはり一貫性をもったプレーヤーは総合的には好成績を収めているし、何より苦しい時に自分を支えてくれるのは「一貫性を持ってやり続けたプレー」
今日の錦織はミスを恐れすぎて、ダウンザラインのショットが内側に入り過ぎている。だから決まらないし、結果として相手に反撃の糸口を与えることになった。つまり、中途半端に打てばどっちにしても負けるのである。
どうせ負けるくらいなら、せめて一貫性を貫いたほうが良くないか?例え打ち込んだバックハンドのダウンザラインが全部ミスっても、それを全部振りぬいて、ウィナーを本気で狙って打ったのなら、必ずその頑張りが報われる時が来るのではないか?
すごい長文になってしまったが、来年以降さらいパワーアップした錦織が観たいので書かせてもらった。
正直ツアーファイナルの結果は悔しかったが、思えばチャレンジャーから始めた今シーズン。一体誰がチャレンジャーレベルで試合していた選手が、その年のツアーファイナルに出場すると思うか?
そんな事ができるのは錦織くらいである。(実際チャレンジャー参加者で、その年の最終戦出たのはテニス史上錦織で3人目らしい( ゚Д゚))
これだけの選手が、このレベル止まりでいいはずがない。必ずマスターズもグランドスラムのタイトルも獲れる。
その為には残り足りないピースを埋める必要があるのではないか!?
色々厳しい事も書いたが、これでシーズン終了。
錦織には「ありがとう、お疲れさまでした」と心から感謝を伝えたい。しばらくゆっくり休養して、2019年、全豪オープンでいい結果を残す錦織を期待したい(*^^)v