2018ウインブルドン準々決勝 錦織圭 対 ジョコビッチ
3-6 6-3 2-6 2-6 で錦織圭敗退(T_T)
1stセット
互いに探りを入れながら慎重にキープ。
先にチャンスはジョコビッチ。第5サービスゲームでブレーク。1-3
しかし、第6リターンゲーム。ジョコビッチがふわっと上げた高いロブ。ベースラインをほぼ超える軌道だったが、念の為ボールを追う錦織。ところが、これがギリギリイン。
しかし、ここで錦織が冷静に股抜きショットに切り替える。ジョコビッチも返ってくると思ってなかったのか、次の返しのショットが甘くなり、最後はバックのクロスウィナーでポイント。
ここで勢いを得た錦織が即ブレークバックで2-3のイーブンに戻す。
その後は互いに1ゲームずつキープして迎えた第8サービスゲーム。ここで痛恨のブレークを許し、3-5。
最後はジョコビッチのサービング・フォア・ザ・セットでブレークはできずこのセットを3-6で落とす。
サーブスタッツ:1stサーブの確率70%、ポイント率63%。確率は良いがポイント率がちょっと低い。
2ndセット
第1サービスゲームでいきなりブレークポイントを握られるピンチ。しかし何度もデュースを繰り返し、ナイスキープ。1-0
第3サービスゲームも0-40とトリプルブレーク握られる絶対絶命のピンチ。しかし、このピンチをサーブ&ボレーやエース、ラッキーなコードボールも絡めて奇跡のキープ。2-1
このチャンスを生かせなかったジョコビッチ。イライラからラケットを叩きつけてしまい警告を受ける。それに対して主審にクレームをつける等メンタルの乱れが見られる。
ピンチの後にチャンスあり(逆もしかり)。ジョコビッチの集中力が明らかに低下したチャンスを生かし、40-30のワンチャンスを見事取り切り、このセット先にブレーク成功で3-1。
次の第5ゲームをラブゲームキープで4-1。ブレークアップが成立。
後はそのまま互いにサービスゲームをキープし、このセットを6-3で奪う。
サーブスタッツが1stサーブの確率69%に対して、72%と向上。さらに意図的にネットプレーを増やし、成功率は6/11。これで、相手に気持ちよくラリーをさせなかったのが良かった。
3rdセット
先にチャンスはジョコビッチ。第4サービスゲームで40-Adとブレークポイントを一つ握られるも、これをネットプレーと1stサーブで切り抜ける。2-2
そして直後の第5リターンゲーム。40-0のトリプルブレークポイントの大チャンスが訪れる。しかし、ここからの集中力が凄いのがジョコビッチ。この大ピンチを凌ぎ、ジョコビッチのナイスキープ。2-3
こういうピンチで、プレーの質を上げつつミスらないのが常人離れしている・・・(;´Д`) 錦織からするとここを先にブレークできなかったのが、メンタル的に相当ダメージになった。
ピンチの後にチャンスあり。第6サービスゲームで、ジョコビッチが30-40とブレークポイントを握り、ここでブレークを許し2-4。
このセット、さらにブレークを許し、あっという間に2-6でセットダウン。
サーブスタッツ:1stサーブの確率が65%に対し、ポイント率47%。1stサーブ入れても、これだけしかポイントできないのはちょっと考えられない。ジョコビッチが錦織の1stサーブの配球を読んで、ほぼ捉えている証拠。
4thセット
完全に流れがジョコビッチだったが、第1リターンゲームで40-15といきなりブレークチャンス。これを生かし、立ち上がりいきなりブレーク。1-0
しかし、さっきから全くキープできてないサービスゲーム。第2サービスゲームもブレークを許し1-1。
こうなったらブレーク合戦へ!と思って迎えた第3リターンゲームはラブゲームキープされる。流石ジョコビッチ。そんな簡単にブレークさせてくれない。
だったら、ここからキープ合戦へ!迎えた第4サービスゲームは絶対キープが条件だったが、錦織は体力もメンタルももう限界なのか、ちょっと疲労が強く単調なテニスでミスが早くなってきた。そして、最悪のまたまたブレークを許しこれで1-3。
(これで4連続自分のサーブゲームをブレークされるという異常事態が発生( ゚Д゚))
第5リターンゲームもノーチャンスでジョコビッチキープ。1-4でブレークダウン成立。
第6サービスゲーム。いい1stサーブが決まり、やっとキープ。2-4
第7リターンゲーム。30-30とチャンスを作るも、ブレークできず2-5。
第8サービスゲーム。キープすれば1ブレークダウンで相手のサービング・フォア・ザ・マッチ。まだチャンスがあったのでなんとかキープしたかったが、結局ここもブレークを許して試合終了・・・
ジョコビッチ
今日のジョコビッチは強かった。
まず1stセットは錦織のフォアサイドに高く弾むボールを配球。錦織は力が入れにくい為、威力のないボールがクロスに返ってきた所を、フォアのダウンザラインをオープンコートにカウンターという戦術が見事にはまっていた。
後半は錦織がネットプレーを多くする等、テニスを変えてきてイライラし集中が低下する場面もあったが、試合全体で見ればほとんど落ちる時間が無かった。
そして、フォアもバックも針の糸を通すような厳しいコースに打ってくるのに全くミスらない。フットワークもジョコビッチ独自の「芝スライディング」で素晴らしく、後半はどうしたらいいのか分からないような状況に追い込まれてしまった。
このパフォーマンスが1年通して発揮できるなら、ジョコビッチは完全復活と言って良いのではないだろうか?
錦織圭
まず、負けはしたがテニスは決して悪くなかった。
1stサーブはしっかり入れていたし、意識的にネットプレーを多くして、相手のペースにさせない戦術。相手のフォアのカウンター狙いを理解してからの、配球の変更。攻める時と守る時のメリハリと、ショット選択。その全てにおいて、今大会最もよいテニスをしたのではないかと、試合を観て感じた。
この試合は、予想以上にお互いがブレークチャンスを掴み合うという激しい展開になった。敗因を挙げるとするなら、このチャンスをより生かしたのがジョコビッチだったという事。
ターニングポイントはやはり3rdセットの第5リターンゲームで40-0とトリプルブレークポイントを握った場面。このチャンスを失ってから、錦織は一気に失速。逆にジョコビッチは加速した。
このリターンゲームを取っていれば、3rdセット取れたかもしれない。そうすれば、この試合自体勝っていた事も十分考えられる。
レビューでも書いたが、やはり先に先行していかないとジョコビッチ相手には厳しい。
ただ、2ndセットを取った要因はやはり2度のピンチを良いサーブやネットプレーを中心に粘り強くプレーして切り抜けたから。これまでの錦織だったらここを落として、0-3で負けていた可能性も高い為、この辺りの粘り強さは以前より強くなっている。
これでジョコビッチチャレンジは13連敗。が、しかし本当に壁を破るまでもう一歩の所まで来ているのは間違いない。次こそは、この困難なチャレンジを成功させてほしい。自分も勝てることを信じて応援を続けていくつもりです(^^)/