2019全豪オープン1回戦
錦織圭 対 K・マイクシャック
3－6 6－7（6－8） 6－0 6－2 3－0（ret）
で錦織圭勝利＼(^o^)／
１ｓｔセット
良い立ち上がりの錦織。第１リターンゲームでいきなり４０－３０のブレークポイント。
ここはキープされるも、すぐブレークを先にする予感を感じさせる好スタート。
第５リターンゲームでもチャンス。４０－１５のダブルブレークポイント。
しかし、ここも相手の好プレーもあってブレークできず。
チャンスを逃し続けると、途端にピンチになることはブリスベン国際決勝でも学んだ事。
その嫌な予感が早速的中。
第６サービスゲーム。ダブルフォルトからスタートしたこのゲーム、あれよあれよと言う間に０－４０の大ピンチ。
そこから、何も抗えずブレークを許し、まさかの２－４と先にブレークを許す展開に。
・・・まあ、実力差を考えればすぐにブレークできるはず。
なんて、都合の良いことを考えていたら、第７リターンゲームは普通にキープされ２－５。
そのまま、ブレークポイントすら訪れずセットダウン😱
２ndセット
１ｓｔセットを落とした悪い流れのまま入った第１サービスゲーム。
１５－４０といきなりブレークポイントを握られるピンチ。
ここで錦織が思い切ったプレーの変更。相手が何を打ってもスライスでひたすら返球。フォアに打たれても、フォアでスライスというペースダウン。
一見危ないな～と思いながら見ていたが、相手はここまで錦織のショットの威力を利用したカウンターでポイントを重ねてきてたので、最後相手がミス。
このゲーム３回あったブレークピンチを見事切り抜けキープに成功。１－０
その後は互いにキープが続き迎えた第６リターンゲーム。
４０－１５とダブルブレークポイントのチャンス。
しかし、またしても相手のいいサーブが連発してブレークチャンスを逃す。３－３
直後の第７サービスゲーム。
またまた０－４０のトリプルブレークポイントのピンチ。
１ｓｔセットと違って２本返すが、凌ぎきれずブレークを許す。😱３－４
そして、第１０リターンゲーム。
突如訪れる４０－０のトリプルブレークポイントの大チャンス！
今日、全くブレークチャンスを活かせてない錦織だが、ここはきっちり一発ブレークで５－５まで追いつく。
その後、タイブレークに突入。
一進一退ありながら、錦織が６－５とセットポイントを握るところまでくる。
ここで相手のサーブをリターンするが、アウトで６－６。
（ここ取りたかった！）
そのまま2ポイント連取され、まさかの2セットダウンへ・・・😨
３ｒｄセット
錦織サイド。完全に最悪の雰囲気が漂っていたが突如マイクシャックの様子に異変が！？
なんと、右手の指（多分小指）を痙攣。また右足もひきずるように動いていたことから、ほぼ間違いなくつった様子。
どうするのか思って見ていたら、とりあえずプレーは続行する様子。
しかし、サーブもまともに打てない、走れない、ストロークも打てない状態では試合にならず、このセット錦織が6－0のベーグルで奪う。
４thセット
あまり状態の変わらないマイクシャック。
しかし、開き直って「来た球は一発狙いで打ったれ」といった感じで急に強打を始めだした。
そんな事もあって、第２サービスゲームに３０－４０とまさかのブレークポイントが訪れる状態に。
しかし、ここはなんとか凌ぎ、２－０
こんなつって、痙攣起こしている相手にブレークされたら絶対ダメだよ～😅
４－０まで行って、第５リターンゲーム。
マイクシャック、少し痙攣が収まってきたのか動けるようになってきて、ストロークとサーブに力強さが戻ってきてキープ。
ただ、錦織も戦略的にこのセットは取るのがほぼ濃厚なので、相手に無駄な体力を使わせるために敢えてプレーさせた感はある。
このセットマイクシャック２ゲームキープし、６－２で終了。
ファイナルセット
第１リターンゲームで４０－１５のブレークチャンス。ここをしっかり獲って１－０
次もキープで２－０。
第３リターンゲームもブレークで３－０
あまり動きも改善しておらず、テニスの試合になってない状態。
まだ続けるのかどうか。そう思っていたら、マイクシャックからここでリタイアの申し出。錦織の勝利となった。
K・マイクシャック
出身国：ポーランド
年齢：２３歳
身長：１８３cm
対戦時の世界ランキング：１７６位
これまではツアーレベルでの優勝もなく、チャレンジャーを中心にツアーを回っている選手。
そして、グランドスラムの本戦出場はこの試合が人生で初めてという初々しさ。
しかも、これまでトップ５０の選手とすら試合したことがない。
つまり、マイクシャックからするとこの試合は
「初のGS本戦出場&トップ５０どころか、トップ１０。しかも誰もが知るスター選手錦織圭との対戦」
だったわけである。
そしてテニスのほうはどうかというと、バックハンドが非常に質が高い。
錦織と打ち合っても引けを取らないバックハンドのクオリティ。
そして、なんと言っても強烈だったのがバックハンドのカウンターショット。
錦織も積極的にネットにでるが、何度もパッシングショットを決められた。
さらに、スロロークの打ち合いでも、普通はクロスにしか返ってこない場所から、突然鋭く、深いストレートでのカウンター。
これには錦織も「そっから、そんなショット返せるの？？」と予想を上回るショットに苦しめられた。
そして、まさかの番狂わせ。錦織相手に２セット連取。
「無名の選手が、錦織相手に初戦突破するのか！？」
そんな雰囲気も２セット終わった地点では確実に流れていた。
しかし、まさかの「つった」状態になった。
これは、格上の錦織相手に普段の自分の限界を上回るような、かなりのハイペースでずっとプレーをし続けた結果。加えて、メルボルンは真夏。日差しも照りつける中、暑さの影響も確実にあってこうなった。
マイクシャックとしては「テニスでは負けてなかった」
しかし、GSで勝つには単に良いテニスをすれば良いわけではない。
昼と夜。それで明るさや気温、室温も異なる。今のグランドコンディションを考慮した調整ができていかたかどうか。
プレー中の調整はどうか（暑さ対策などを冷静にできるかどうか）
相手との駆け引き。特に劣勢になったときにどんな振る舞いをするのか。
そして時間の使い方。これがこの試合マイクシャックはあまり良くなかった。
３ｒｄセットでつって、しかし試合を続行することを決断した段階で
「３ｒｄ、４thセットは捨てて、回復を期待してファイナルセットで勝負」
これが狙いなのは誰の目から見ても明らかだった。
なので、当然要所要所でトイレット、バスタイム、MTOなど、ルールの範囲内で使えるものはとことん使って時間稼ぎをしてくると思った。
特に、重要なファイナルセットの前には、可能な限り時間を使ってくると思った。
ところが、全くそんな素振りはなし。そして、捨てセットの４ｔｈセット途中から、多分少し動けるようになってきたからだが、なぜか全力でプレー。
あの状態で、２ndセットまでのようなプレーをするエネルギーや機会は限られていたため、普通はファイナルまで温存しておくべきだった。
まあ、初めての本戦で少しでも長くプレーしたいという事。加えてスター選手の錦織相手に後１セットで勝てる所まで来ていて諦めたくないという気持ちは分かるのだが・・・。
この辺りの試合運びや作り方がやはり経験も浅く甘かった。
ただ、素晴らしいテニスをしていたのは間違いない。フィジカルを鍛え、経験を積めばトップ１００に常時君臨できる選手の為、これから頑張ってほしい。
錦織圭
正直、試合の入りは良かった。ショットの質も全般的に高かったし、ブリスベンでの好調をキープしていたと思う。
ただ初対戦の相手ということで、相手がやってくることが読めなかった事。そしてなんと言っても今日の反省点は
「チャンスがありながら、先にブレークできなかった事」
もうこの１点だけ。
確かに相手は素晴らしいプレーをしていた。しかし、その潜在能力を無駄に引き出してしまったのが今日の錦織の反省点。
もし、最初のブレークポイントを生かしてブレークに成功していたら。
恐らく１ｓｔセットは６－２くらいで錦織が獲っていた。
そして、そのまま２ndセットも１ｓｔセットを獲った強みを生かして、色々な引き出しを開けてさらに突き放し、１ｓｔと同じくらいのスコアで圧倒していた可能性が高い。
しかし、現実は２セットダウン。最悪のシナリオが頭をよぎる程悪い状況になった。
５セットマッチで、２セットアップは「獲ったほうが大体７割くらい勝つ」
逆に言えば「２セットダウンすれば、もう勝てる可能性は３割もない」くらい追い詰められた状況。
この試合は、滅多にないラッキーな形で逆転勝利することになったが、やはりチャンスをしっかりものにしないと、ピンチが訪れることがこの試合で再認識できた。
錦織には、この大会で良い成績を収めるためにも、ブレークポイントを取り切る、勝負強さを見せてほしい。