錦織圭 2018年の全仏オープン(グランドスラム)結果まとめ
1回戦 対 ジャンビエ
7-6(7-0) 6-4 6-3で錦織圭勝利
ワイルドカードで出場の304位。地元フランスの21歳の若手。193cmの上背を生かした強烈なサーブとパワフルなストローク。
特にバックハンドの完成度が高く、ダウンザラインの強烈なショットに想像以上に苦しめられる。
「失うものは何もない」が故の有利さを生かして、異常な程にハードヒットをしてくる。しかも、それがあまりミスらないので1回戦から大変だった。
勢いだけなら錦織が先にセットダウンしてもおかしくなかったが、我慢すべき所はしっかり我慢して、勝負どころでは集中力を挙げてブレーク。この試合は相手に握られた10個のブレークポイントを全てセーブして、ブレークを1度も許さずに勝利した
2回戦 対 ペール
6-3 2-6 4-6 6-2 6-3で錦織圭勝利
同い年のフランス人。身長196cm。凄いプレーをしたかと思ったら、急にやる気を無くしたような振る舞いをしたりと・・・色々な意味でツアー屈指のトリッキーさと不思議さを持ったプレーヤー。
しかし、単なる不思議ちゃんではない(笑) 強烈なビッグサーブに、錦織に「世界1・2位のバックハンド」と言わせる安定感と威力を兼ね備えたバックハンド。さらに普通ならあり得ない所から天才的なタッチを生かして打ってくるドロップショット。キャリア最高18位までマークした事からもかなりの実力者。
錦織も直近では2015年の全米1回戦、楽天準決勝、いずれもフルセットで負けており相性はあまり良くない。
ある程度予想していた通り、ペールのダブルフォルトおかまいなしで打ってくる強烈なサーブに、精度の高いバックハンド、ペールにしか打てないドロップショット。そこにフランスのアウェー感もあってかなり苦しめられた。
しかし、ペールは良くも悪くもアップダウンの激しい選手。アップした時はできるだけ耐え、ダウンしたら一気に攻める。最後まで集中を切らさず、勝負所を逃さず戦った事でフルセットの末見事難敵から勝利を収める。
3回戦 対 G・シモン
6-3 6-1 6-3で錦織圭勝利
以外にも初対戦の両者。そしてなんと3回連続のフランス人との対戦(;^_^A
シモンは33歳、身長182cmと外国人選手としては決して体格は良くない。しかしプレースタイルは「世界屈指のシコラー(とにかく粘り強く返してくる)」
打っても、打っても返ってくるので相手が焦ってミスるか、無理に攻めてきた所をカウンターというなんとも嫌らしいテニスが持ち味の選手。
ただ、錦織はビッグサーバーのようなラリーがあまり続かない選手よりは、シモンのようなストローカ―タイプのほうが好き。何故なら、ラリーをしながら試合の流れを作っていくのが錦織の最も得意な戦術だから。
1ポイント決まるのに時間がかかる、長い試合になることも予想していたが、フタを開ければ錦織の圧勝!
得意のバックだけでなく、フォアハンドが完全復活。全盛期を上回るのでは?というくらい精度、威力ともに素晴らしかった。
それだけでなく、アングルクロス、ドロップと変化自在のストロークで相手を翻弄。シモンは自分の好きなベースライン後方で、落ち着いてプレーさせてもらえない為、力を発揮できなかった印象。
4回戦 対 D・ティーム
2-6 0-6 7-5 4-6 錦織圭敗退
ティームの220㎞/h近い強烈な1stサーブが8割近く決まる。それだけでなく、相手の高く弾むスピンショットにタイミングが合わず、簡単に2セットを落としてしまう。
戦術を切り替えて、シモンのように粘り強く返すスタイルに切り替えてから徐々にタイミングが合ってきて、ワンチャンスをなんとか生かして3rdセット取り返す。
4thセット。最初流れは錦織だったが、そんな中でもティームが自分のサーブゲームだけはしっかりプレー。そして、逆に少ないチャンスをティームが生かして先にブレーク成功。そのままセットを奪われ試合終了。
クレーでの実力はナダルに次ぐNo2と言われているティーム、本当に強かった。ただ錦織も悪いプレーをしていたわけではない。悔やまれるのは、もっと早めに3rdセットで見せた戦術に切り替えていれば、間に合ったかもしれないという事。
ただ、今回は復帰後初のグランドスラムだったこともあるので、試合勘が完全に戻りきっていない事も考慮すると仕方ない面もある。
獲得ポイント:180P
しかし、去年ベスト8で360P獲得している為、差し引きで世界ランキングのポイントは-180Pとなる。
総評
復帰後初のグランドスラム。色々期待と心配もあったが、結果的に全ての面において、ほぼ完全復帰していると見ていい。後はもっと試合数を重ねてさらに自信を深めていけば、自然とランキングも上がってグランドスラムでも、もう少し楽なドローになることが期待できる。