2018全仏オープン4回戦 錦織圭 対 D・ティーム
2-6 0-6 7-5 4-6 で錦織圭敗退(T_T)
1stセット
互いに危なげなく1ゲームずつキープ。ここまではお互いに今日の出方を探り合いながらの静かな立ち上がり。
ところが、第3サービスゲーム。得意のバックのダウンザラインのミス等が重なり15-40からそのまま簡単にブレークされてしまう。
さらに第7サービスゲームも15-40。1回ブレークポイントセーブするもここも守りきれず、ブレークを許して2-5
最後はティームのサービング・フォア・ザ・セット。ラブゲームでキープされセットダウン
錦織、1stサーブの確率60%、ポイント率75%と悪くないが2ndサーブのポイント率が25%と厳しい。2ndサーブを叩かれている事でキープが苦しくなっている。
2ndセット
流れを断ち切るために、なんとしてもキープが必要だった第1サービスゲームだが、ラブゲームでブレークを許す。(;´Д`)
即ブレークバックすれば、まだ間に合う第2リターンゲームもほぼサーブだけでラブゲームキープされる。
もう後がない第3サービスゲーム。ここキープすれば、まだこのセット可能性があった。それを錦織も分かっているのだが、ストロークにタイミングが合わず苦しい。デュースからシーソーゲームを繰り返し、再度ブレークを許してしまい0-3
第4リターンゲームも、ほぼサーブだけで押し切られ0-4。これで相手が2つのブレークアップ成立。
さらに第5サービスゲーム、第6リターンゲームも同じようにブレークされて・キープされて・・・なんとこのセットベーグル(0-6)で落とす((+_+))
相手のスピンの効いた弾道の高いトップスピンボールに全くタイミングが合わず、それに焦りやイライラが募るのか、無理なショットを打ってミスが先行する自滅展開が止められない。
そんな感じだから、ティームがダブルフォルトなんておかまいなしにファースト・セカンドともに強気のサーブでリターンゲーム全くチャンスが来ない。
3rdセット
第1サービスゲーム。ここ、本当にキープが絶対条件だが流れが悪い状態なので観てるとキープできるのか?と思っていたがキープ。
ここは本当にナイスキープ。ここ落としてたらこのセットも0-6とか1-6で終わっていた可能性が高かった。
無理なショットを封印し、我慢のラリーを展開し始めてキープができるようになってきた。ちょっとずつだが、錦織にも流れが出始める。
互いにサービスキープが続いた第10リターンゲーム。5-4で、錦織がリードしていた状態の為、ティームはキープにほぼ初めてプレッシャーがかかる場面だったが、デュースまでもつれることもなく、最後はエースでキープされる。
第11ゲームは逆にデュースまでもつれるが、しっかりキープして6-5
第12リターンゲーム。ここは錦織としてはタイブレークまでプレーできることが確約されているため思いっきりいけるゲーム。
0-30と「やっぱ厳しいか・・・」と思っていたらダブルフォルトなどもあって、気づいたら40-30とこの試合初のブレークチャンスにしてセットポイントが来た!!
絶対欲しいポイント。ここでティームがまさかの「ホームラン」級のどアウトでそのまま錦織が嬉しいセット奪取!
2ndサーブのポイント率が67%と上がってきているのが、このセットでキープをしっかりできて、取ることに繋がったと思われる。
4thセット
徐々に錦織がラリーを支配するようになってきた。相手のループ気味のストロークに大分アジャストしてきた感じ。
ティームは「さっきのセットで終わっていたはずなのに・・・」という思いがあるからなのか、陣営のほうに向かってイライラと叫ぶ様子が映し出される。
そんな感じながらお互いにチャンスないままキープ。先にチャンスを掴んだのは錦織ではなくティーム。
第7サービスゲーム。自分は各セットの第7ゲームは波乱が起きやすいので「魔の第7ゲーム」と勝手に言っているのだが、やはり魔物が住んでいた。
それまでいい感じで試合展開していたのに15-40とブレークポイントがティームに。1本は凌いで30-40。しかし次のポイント2ndサーブのコースを完全に読まれ、回り込みフォアの強烈なリターンショットを打たれ、そのままブレークを許す。
即、ブレークバックしたかった第8リターンゲーム。30-30と形は作るが、結局ブレークポイントも掴めず、キープを許して3-5。ティームの1ブレークアップが成立してしまう。
そのまま第10リターンゲーム。ティームのサービング・フォア・ザ・マッチ。
30-40のマッチポイントから、ティームがネット前にポトリと落ちたチャンスボール。決めるだけのフォアハンドをまさかのミスで40-40。
これは、まだチャンスがあるかも・・・と思っていたが世界8位はそんなに甘くなく次のマッチポイントできっちり閉められゲーム終了。 4-6
D・ティーム
テニス界の「Mrフルスイング」と自分は勝手に言っている(笑)
とにかく、フォアもバックも大きなテイクバックからフルスイング。当然フォロスルーもダイナミック。昔はそのスイングの大きさから、早いタイミングで返されると対応が間に合わなかったり、そもそも展開が単調な所が弱点だった。
しかし、今日の試合では軌道の高いループボールがその弱点をカバーしていた。結果相手のタイミングをずらす事に加えて、自分が次のボールに対応する時間もしっかり作れていた。
特に、今日はフォアハンドが優れていた。基本パターンが錦織を外に追い出しておいて回り込みや、普通にフォアのストレートでポイントを奪うパターンが多かった。
加えて、220㎞/h近い強烈サーブを8割近く入れるのだから手のつけようがない。
2ndサーブも「ダブルフォルトなんて気にしない」とガンガン打ってくる。
このティームや、キリオスの世代は自慢のサーブ力に物を言わせてダブルフォルトが多少出ても、強気でサーブを打ち続けてくるのがトレンドな気がする。
ただ、第3セットの第12ゲームのセットポイントや、直後の4thセットの序盤などメンタルが乱れすい面もあった。この辺りを総合的に考えるとまだビッグ4の領域には達していない。
しかし、ビッグ4もかなり力は落ちてきているのに間違いはない為、ズベレフと共に次のNo1候補には違いない選手。
錦織圭
今日の試合は最初の2セットをあまりにも簡単に取らせすぎたのが痛かった。
錦織の傾向として、良い時はストロークのミスが少ないうえにどんどん変化自在に展開できる。故に「世界屈指のショットメーカー」とも呼ばれている。
しかし、思ったように展開できない時は焦りからなのか、無謀なショット選択からミスを連発して自滅に陥る傾向がある。
具体的に言えば、武器のバックのダウンザライン。これはある程度、相手を振り回して、体勢を崩してから打つことで初めて効果的なショットなのだが、自分が追い込まれていたり、決して有利になってないのに無理に打ってミスが出てしまう。
あるいは、ミスらなくても中途半端に打てば相手のカウンターを食らってしまうリスクもある。今日の錦織は、うまくいかない事で最大の武器であるバックのダウンザラインに頼りすぎて自滅した印象がある。
このようなうまくいかずに簡単にセットを落としたのは2015年のツオンガ戦に似ている。このような時の対応としては、割り切ってセットを取られてもいいので、粘り強くプレーして1球でも多く相手に打たせることが大事になる。
打っても打っても返されると相手もプレッシャーを感じ始め、徐々にミスったり、ショットが甘くなってくる。加えて錦織程の選手なら数を重ねれば、徐々にタイミングなどアジャストできる。この辺りは「復帰したばかりだから・・・」というよりは以前からある課題なので、改善することを期待したい。
良かった点として、負けはしたがサーブのスタッツは決して悪くなかった。特に1stサーブの確率とポイント率は及第点。ただセットダウンした1st、2ndセットは2ndサーブの確率が良くなかった。
2ndサーブをどのようにして打っていくのか?良くなってきているが、ここも改善をしていくポイントになりそう。
これでクレーシーズンは終了。ただ変化自在のストロークが戻ってきたし、体調も問題なし。何より本人がテニスに自信を持ってプレーできているのが嬉しい。
今シーズン、大きな大会で良い結果を残してトップ10復帰!!そんな事も十分期待できそうだ(*^^)v