紆余曲折、苦労に苦労を重ねながら期待通り勝ち上がってくれた錦織にまず感謝!!
そして、ドローが出たときの想定通り、準々決勝でジョコビッチと対戦。
ここまで14連敗中。勝ったのはたったの2回で、最後に勝ったのはあの2014年全米の準決勝以降4年以上負け続けている。
対戦回数は17回。これ、なんと錦織のライバルとして認識されている、フェレール、チリッチ、ラオニッチといった選手より多く、錦織が公式戦で最も多く対戦した相手となっている。
なにが悲しくて、こんな強い選手と何度も戦わなければいけないのか😂
しかし、このジョコビッチに勝って壁を突破すれば、錦織がさらに成長するのは間違いない。
これは、神様が与えた錦織への試練と受け止めて前を向くしかないでしょう。
そこで、ここまでの対戦を観てきた中で、どうやったらジョコビッチに勝てるのか。攻略の糸口はなんなのか、自分なりに考察をしてみます!
攻略ポイント①サービスを先にブレークさせるな!!
このサービスを先にブレークされないとのは、どの選手とやるときも大事だが、特に大事なのはビッグサーバーが相手の時。
ジョコビッチはビッグサーバーではない。しかし、対ジョコビッチに限ってはビッグサーバーか、それ以上と思ってサービスをキープしていかなければ勝機はない。
じゃあ、具体的にどうすればいいの?と言うと、一言で言うなら
「2ndサーブでのポイント率を50%以上キープすること」
これに尽きる。
ジョコビッチと錦織の1stサーブのクオリティ。
確率、ポイント率、速度等の質について、実は大きな差があるわけではない。
差があるのが、2ndサーブでのポイント率。
錦織対ジョコビッチ戦。2ndサーブでのポイント率が大体錦織が4割くらいなのに対し、ジョコビッチは6割以上取っている。
この数字の差が、錦織のサービスキープを難しくさせ、ジョコビッチにブレーク先行されてそのままセットを取られてしまう要因になっている。
対策として
・1stサーブの確率を上げる
(ただし、入れにいく1stサーブは除く。あくまで、ポイントを取りに行くためのサーブで確率を保つ必要がある)
・2ndサーブの配球の工夫
コース、球種、速度、さらに場合によってはダブルファースト気味のリスクを負ったサーブ等、とにかく色々混ぜて相手に読ませないようにすることが大事。
攻略ポイント②攻めるのか、守るのか。明確な意図を持ってショットを打つ
対ジョコビッチで常につきまとう難題が「今攻めるか、守るか」を悩まされる事。
攻めなければ鉄壁のディフェンスは破れないし、かといって守ってるだけでは勝てない。
この難題に対しての「絶対的答えはない」というのが、自分の結論。
しかし、やってはいけないことは分かっている。それは
「攻めるのか、守るのか。はっきりしないショットを打ってはいけない」という事。
例えば、ラリー戦の最中、急に微妙に浅いショットが来る。
この時に「攻撃」「守備」のはっきりしない意図で中途半端に打つと、途端にジョコビッチはその隙を逃さず攻め込んでくる。
つまり、非常にタフな要求になるが全てのショット、1球1球に明確な意図を持って打ち続ける必要がある。
それは体力、集中力、メンタル。全てを兼ね備えていないとできないが、今の錦織にはある程度それができる状態になっている!!
攻略ポイント③ショートポイントを増やす
仮にだが、攻略ポイント①②をある程度継続できたとしても、現実問題としてジョコビッチ相手に勝つまでずっと継続するのは不可能な事。そこは人間の能力の限界というものがある。
そして、ジョコビッチ相手にラリーばかりしていても勝てないのは、これまでの対戦で分かっている事。
そこで、体力の消耗を抑えながら勝つためのエネルギーを上手く配分していくためにも、省エネでポイントできる機会も増やさなければならない。
その手段として、錦織が持っているカードは
①サービスエース、もしくはサービスポイント
②リターンエース、もしくはそれに近いリターン
③ウィナー級のストロークショット
④ネットプレー、ボレー
まず①だが、ジョコビッチはナダルと並んで、世界屈指のリタナーで、そのリターン力は錦織すら凌駕する。
この点と、過去の対戦を考えた時、ショートポイントとしては、あまり有力ではないと思われる。
②について。リターンエースは無理でも、強烈なリターンから相手の体勢を崩し、次で仕留めることができれば理想。
ただ、ジョコビッチはビッグサーバーではないが、どんなサーブを打つときもトスの位置が一定で読みづらい。
その為、多少は期待できるが、それほど多くのポイントはリターンからは重ねづらいと思われる。
③について。錦織の展開の早いテニスとフォア・バック共に質の高いストロークは世界屈指だし、はまった時の破壊力は既に実証済み。
ただ、錦織のストロークと早い展開が実はジョコビッチは好きで「彼の早いテニスに対応していると、自分も調子が上がってくる」みたいなことを言っております😅
だからといって攻めないわけにはいかないので、継続する必要はあるが、あくまでリスクマネジメントをした結果攻めていく必要がある。
つまり「相手に攻撃をさせられている状態」に陥らない事。こうなると、カウンターの餌食になることが目に見えているため、そのような時は一度冷静になり、ラリーを組み直してから攻める必要がある。
④これが、今までになかった錦織の武器。
フェデラーがジョコビッチと戦うときも積極的にネットを取っているように、錦織もラリーの中からネットに出るチャンスを作って、ネットで勝負していく必要が必ずある。
その時大事になるのが、アプローチショット。中途半端なショットで前に出ればほぼ確実にカウンターを食らうため、これは勇気を持った選択というより「無謀な自滅行為」になってしまう。
しっかり深く、相手が簡単にカウンターを打てないようなショットで前に出れれば、錦織のボレーの質は高い為、決められる可能性は高い。
また、サーブと組み合わせてサーブアンドボレーをするのも、ショートポイントを増やす手段になると思われる。
今日どんな試合になるかは分からないが、心配なのは錦織の体力。
これに関しては、前日も休養に当てており、可能な限りのリカバリーに努めている。
この点は去年の全米で、チリッチと死闘を繰り広げた後、ジョコビッチと戦うエネルギーが残っていなかった事の反省を生かした戦略だと思われる。
体調さえある程度戻っていれば、勝つ可能性は十分ある。今日こそ15度目の正直、連敗をストップし、2014全米以来の勝利を上げる事を期待したい😁