錦織圭 マイアミオープン3回戦 対デルポトロ
結果 2-6 2-6 で敗退
この試合を観て、自分なりの分析や思った事を書いてみる
良かった点
・バックハンドは安定感があった。特にベースラインから打つクロス系はほぼミスなく安定して深く打てていた。後は武器であるバックのダウン・ザ・ラインがもっと決まるようになればかなり結果も違ってくる。
・フットワーク。去年の後半は心身含めた疲労もあってか、やや動き出しが遅くその為良い体勢でショットを打てなかったが、今回デルポトロの厳しいショットにもしっかり反応して返せていた。
悪かった点
・フォアハンドのコントロールと威力。全盛期の錦織のフォアハンドは本人が「しばく」と言うように、鞭をしならせるような打ち方で、ジャストミートしたときの音はボールが割れるのではないかと思う程!(^^)!
しっかり振りきれているので、威力もあり、深く決まるのでそのままポイントになるか、なんとかロブなどで返しても次に十分決める事ができた。
ただこの武器であるフォアハンドが、全盛期に比べると上手く打てていない。結果浅く、威力も出ていない為中途半端なスピンボールになる事で、デルポトロが丁度いい高さで強打することができたのが今回の敗因にも繋がっている。
意図して浅く、抜いたボールを打つのは良いが、深く・強く打とうとして打てていないのは課題。右手首の故障もあって、まだ思い切って振りきれないのかもしれないが、このフォアの質が戻れば必ずランキングも戻せると思う。
・ドロップショット。ドロップショットは錦織の武器の一つでもあるのだが、この試合に限ってはミスも多く、また使い所を間違えているように見えた。
ドロップショットは簡単に言ってしまえば「ハイリスク・ハイリターン」なショット。テニスはベースラインでラリーをするのが基本のスポーツなので、急に前に落とされるドロップショットは相手にとって脅威になる。
ただ、非常に繊細なショットである為トップ選手でもミスりやすいショット。逆にミスるとそれを機に相手に流れが渡ってしまうことも多い。なので、基本的には自分が有利な状況(ゲームやポイント状況、ショット展開が)で使う必要がある。
昔から錦織はこのドロップショットが世界トップクラに上手かった。それが良くも悪くも、前述のような状況を無視して使う場面が多くあった。結果として相手のペースを乱し有利になることもあったのだが、今後はもう少し使う状況を見極めてからここぞという時に使えれば良いと思う。この辺りは試合勘がまだ戻りきっていないことも影響している可能性はある。
この試合は負けてしまったが、徐々に調子を取り戻してきているように見える。今年は結果面であまり大きな期待はせず、まずは錦織がしっかり自信を持ってテニスができるシーズンにしてほしい。そして来年、念願のグランドスラムやマスターズのタイトルを獲ってくれることを願っている。