トキオ山口達也メンバーのメディア報道から見える アルコール依存症の特性と今後について

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連日トキオの山口達也が酒を飲んで泥酔して、自宅に呼び出した女子高生にキスをした強制わいせつで書類送検。示談が成立したので刑事事件にこそならなかったが、事務所は無期限謹慎を発表。

トキオのメンバーからも「トキオに戻る等ありえない」と厳しいコメントが出され、他の芸能人からも厳しい意見が出ている。

また、世間からも様々な意見が出ており厳しい意見も多い。

 

自分とアルコール依存症者との関わり

自分はケアマネジャーという仕事柄、アルコール依存症の人と関わることがあった。そして、それだけでなく実は身内にもアルコール依存症の人間が何人かおり、一人はそれが原因で若くして命を落とした。

そんな事もあって、アルコール依存症について勉強し、依存症の人達と関わってきた経験から少しアルコール依存症について書いてみたい。

アルコール依存症の特性

①否認の病気

アルコール依存症は「否認の病気」とも呼ばれている。これはどういうことかと言うと、アルコール依存症の人間に「あなたはアルコール依存症だから、もうお酒を飲まないようにしてください」と話すと、ほぼ100%「自分はそうでない」と否定する。

なぜそうなるのか?依存症の人達は既にお酒を飲まないと生きていけない程依存し状態の為、それを断たれる事はある意味「死ぬ」ほど過酷な状況になってしまう。だから「自分はアルコール依存症でない=まだ飲んで良い」と脳が半ば強制的に判断してしまうような状態になっている。

山口達也もあれだけのトラブルが発生しているにも関わらず、アルコール依存症の可能性について問われると否定している。これはもう典型的な症状の出方と見てもいい。

ちなみに、自分の身内で亡くなった人間もアルコール依存症が原因で体を壊し入院していたが、入院生活に耐えきれず許可が出ていないのに勝手に退院して、退院したその足で自宅に帰る前に酒屋によって酒を買い、帰ってすぐに飲酒をした。

山口達也と自分の身内は全く同じ行動をしている。このような事からも山口達也がアルコール依存症と確信できる。

②アルコール依存症は「治る」病気ではない

よく「治療に励んでください」と言われるため、まだまだアルコール依存症は治る病気と思われがち。しかしそうではなく、これはアルコール以外の依存症(薬物やギャンブル等)にも共通しているのだが依存症は「依存しているモノを一生断ち続ける事」でしか、普通の生活に戻れない。

つまり、死ぬまで闘病生活を送る必要があるということ。

これは想像以上に当事者には過酷な事。普通の人でも「水はもう死ぬまで飲まないでください」と言われているような状況だと考えると分かりやすい。

③アルコール依存症は本人の意思が弱いから起きているのではない

世間のアルコール依存症者への見方は「アルコール依存症になるような人間は意思が弱く、止めれないのも本人の意思が弱いからだ」という考えが多いと感じる。

ただ依存症になると、さっきも書いたようにもう自分の意思だけではどうしようもなく、脳が勝手に都合の良いように判断してしまう状態になっている。

断酒をする為には、周囲の理解とサポートが不可欠なのだが、現実にはまだまだ理解が進んでおらず難しいと感じる。

 

では、山口達也は今後どうすれば良いのか?

とにかく、早急に断酒に向けて取り組むしかない。その方法には大きく「入院」と「通院」による方法がある。

通院は同居する家族などがいて、周囲の理解とサポートを得られる場合や、ある程度通院でも断酒が継続できそうな状態の人ならいい。

それ以外、独身等で周囲からサポートが受けにくかったり、まだ断酒へ取り組んだ事がない場合は「入院」を行い断酒プログラムを受けるのが良い。そうでないと、一人で自宅にいたら間違いなく飲んでしまう。

入院の場合、多いのが約3か月程入院。最初はお酒を飲まない事で目まいや吐き気、震え、多量の発汗、幻覚・幻聴等の離脱症状が起きる。これを「解毒期」といって、この離脱症状が落ち着いたらアルコール依存症についての勉強や、断酒を続ける必要性などの教育プログラムを受けつつ、退院後の生活(1日をどのように過ごすのか、断酒会などへの定期的な参加等)を考えていくという流れになる。

山口達也にはアルコール依存症に向き合ってもらう必要がある。辛いとは思うが断酒という依存症者にとっては過酷な戦いをこれから死ぬまで続ける「覚悟」をもつ時間が必要になる。

また、彼の周囲の人達がアルコール依存症についての正しい理解をする努力もしてほしい。特に家族やトキオのメンバー。

今はアルコール依存症についての知識も十分でないかもしれないし、仮にあっても裏切られたような気持ちがして、怒り等のネガティブな感情が強いかもしれない。

でも、ここで簡単に見捨てないでほしい。アルコール依存症者にとって、断酒は本当に過酷な戦いで、現実には「もう飲まない」と強い決意をしたにも関わらず数か月経つと気が緩み「ちょっと飲んでみようかな」という気持ちに負けて、再発を繰り返す人がほとんど。

実際、アルコール依存症者の3割程度は断酒ができずに病気が原因で亡くなるというデータもある。

この過酷な戦いを続ける為には、その人にとって大切な人達の支えがないと続けられない。甘やかせとは言わない。会うのが難しいなら手紙を書いたり、できるのなら定期的に面会して他愛ない世間話をするだけで良い。それだけで、依存症の人達が断酒を頑張れるエネルギーになる。

逆に、孤独になると頑張れない。「何の為にこんな過酷なことをしなければいけないのか?早く楽になったほうがいい」なんて気持ちが強くなれば、頑張れないのは誰も一緒だと思う。

今後、山口達也や周囲がどのような対応をするのか分からないが、是非賢明な判断をしてくれることを願っている。

 

 

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